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防災

【前編】ゲリラ豪雨と落雷の「緊迫した一夜」に学ぶ!ヴィルフォーレ稲毛が実践した、排水ポンプの「落ち葉清掃」と2日後スピード広報の真髄

ここ数年、豪雨災害が激甚化を見せるなか、マンション水害も大きな問題となりつつあります。先日の千葉豪雨の際、日頃からのマンション管理で被害を最小限に食い止めたマンション管理組合があります。その取組についてBORDER5アンバサダーである應田がお話を伺いました。

豪雨のあった8月13日の様子

應田『本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。BORDER5のコラムとして、今回は8月のゲリラ豪雨、そして線状降水帯による未曾有の危機を見事に回避された「ヴィルフォーレ稲毛」の皆様の、極めて先進的かつ超実践的なお取り組みをご紹介いたします。本日は、現理事長で初動対応責任者の桜井雄二様、元理事長で現在は防災防犯担当管理委員として初動対応責任者を務める津和様、そして元副理事長で現在は専門委員として損害保険と初動対応責任者を務める斎藤様にお話を伺います。どうぞよろしくお願いいたします。』
 
一同『よろしくお願いいたします。』
 
應田『まずは、あの凄まじい大雨と落雷が発生した8月13日の当日の夜、どのようなことが起きていたのか、タイムラインに沿って緊迫したドキュメントを振り返っていただけますでしょうか。』
 
桜井『はい。あの日は18時頃から突然、もの凄い勢いで雨が降り始めました。典型的な線状降水帯でしたね。バケツをひっくり返したような激しい雨が降り続き、敷地内にある鯉の池の水位がみるみる上昇して溢れそうになるのを見て強い緊張が走りました。そして19時頃、お腹の底にズドンと響く巨大な落雷があり、その直後、マンション全体が一斉に変電トラブルを起こして共用部が真っ暗になる停電が発生したのです。』
 
應田『夜間に敷地内が完全に真っ暗になってしまうというのは、想像するだけで恐怖を感じますね。その時、役員の皆様はどのように動かれたのですか。』
 
津和『専有部の電気は数分で自動復旧しましたが、落雷の衝撃で高圧受変電設備の安全装置が作動し、共用廊下の照明や約70基の外灯への送電が遮断されてしまいました。広大な敷地が19時という夜間に完全な暗闇に包まれたのは極めて危険でした。私と桜井理事長はすぐに自宅でカッパを着込み、懐中電灯を持って管理事務所へ駆けつけました。時間が19時で昼間勤務の管理員さんがまだ1名残っていたのが幸いでした。管理員さん立ち会いのもと配電盤を調べ、遮断されたブレーカーを一箇所ずつ手動でオンに戻していきました。この迅速な対応のおかげで、一度目の停電による外灯や共用設備はすぐに稼働を再開できました。』

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すでに策定していたルール化によって動けたこと・防げたこと

應田『役員自らが駆けつけて配電盤を手動復旧させたのは見事な初動対応です。ただ、その後深夜24時にも再び大きなトラブルがあったそうですね。』
 
桜井『そうなんです。深夜24時頃に再び巨大な落雷があり、またしても共用廊下や外灯への送電が一斉に遮断されてしまいました。しかし、この2回目の停電の際、私たちはあえて現場へ駆けつけることをせず、「翌朝まで放置する」という決断を下しました。そして安全が確認された翌朝の5時半になってから管理事務所に入り、手動復旧させたのです。これも実は、私たちの管理規約で新設した「安全最優先」のルール(深夜や危険時は初動対応を行わない)に基づいた、合理的な判断でした。危険な深夜の暴風雨の中で無理に作業することは二次災害につながります。あえて動かないという引き算の判断を堂々と下せたのも、事前ルールがあったからです。』
 
應田『なるほど!危険を避けて翌朝に回すという冷静な判断ができたのも、事前に規約でルール化されていたからですね。豪雨による敷地内の挙動はいかがでしたか。』
 
桜井『敷地内の雨水は雨水桝から地中の雨水管を経由し、調整池へスムーズに放流される設計になっています。ただ、敷地内には水が溜まりやすい冠水リスク通路が数箇所あり、その1つが「欅(けやき)並木」の通路でした。本当に命拾いをしたのは、豪雨からわずか半月前の7月30日に、造園業者さんにお願いして雨水桝や側溝に溜まっていた土砂や落ち葉を綺麗に一掃したばかりだったことです。この事前清掃のおかげで、欅並木は一切水が滞留することなく大雨を完全に受け流すことができました。』
 
津和『しかし残念ながら、南口ゲート外の公道へ出る部分はまだ清掃を行っていませんでした。結果としてそこだけが膝の高さまで冠水し、夜間に気付かずに歩いた居住者の方が足を取られて転倒し、濡れて軽い怪我をされる事故が発生してしまったのです。この経験から「事前清掃の有無がすべてを分ける」と痛感し、8月24日には残りの箇所もすべて業者に依頼して綺麗に清掃を完了させました。』

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事前に備えることの大事さ

應田『まさに事前の備えの差がダイレクトに結果に表れたわけですね。機械式駐車場のお車などは大丈夫だったのでしょうか。』
 
斎藤『ここが今回、当マンションが最大の防衛に成功した、最も重要な教訓です。今回、雷の影響で過電流が流れ、一部の機械式駐車場でパレットを昇降させる制御盤が2箇所(10台分)破損し、お車の上げ下げができなくなりました。お盆休みの真っ最中でメーカー対応もすぐには見込めない状況でしたが、日頃付き合いのある設備メンテナンス会社に交渉し、「中古の部品でもいいから今すぐ持ってきて動かしてくれ!」と頼み込み、翌日昼には中古の制御盤に交換して復旧させることができました。このトラブルの際、住民からは「地下段の車が水没するのではないか」という不安の声が殺到しました。共用部保険は個人の車両被害をカバーしないため、水没した場合は個人の車両保険を使っていただくしかなく、管理組合に法的な賠償責任は生じないのがルールです。』
 
應田『法律上の責任はなくとも、実際に地下駐車場が水没して車が何台も全損になれば関係は泥沼化しますよね。それを完璧に防げた理由はどこにありますか。』
 
桜井『各ブロックの「排水ポンプ」が夜通しフル稼働して雨水を逃がし続けてくれたからです。なぜポンプが動き続けたかというと、2022年にメンテナンス業者に排水ピットの最下部にまで潜り込み、長年溜まっていた大量の落ち葉や泥を一斉清掃するように依頼していたからです。もしこれを怠っていれば、落ち葉を吸い込んだポンプが目詰まりを起こして停止し、地下駐車場は確実に水没していました。「やるべき日常の清掃をやり切っていたからこそ、被害を防げたし、胸を張って『組合に過失はない』と言える」。この予防保全の重要性を痛感しました。』

マンションが行うべき防災広報の本質とは

應田『日頃の徹底した泥臭い点検と清掃こそが、何千万円という車の損害と紛争を防ぐ最高の防衛策だったのですね。そして、事前にお借りしたチラシのサンプル『第37期26号広報(大雨対応報告)』も拝見させていただきましたが、状況の図解や『排水ポンプが正常稼働しているため下段駐車場も水没の心配はありません』といった報告が分かりやすくまとめられていて、本当にすばらしいですね!大雨があった8月13日のわずか2日後(15日)には全戸配布されたとのことですが、このスピード広報はどのように実施されたのですか。』
 
桜井『ありがとうございます。8月13日の夜に災害が起き、翌14日にかけて被害状況や排水ポンプの稼働状況、復旧見込みをまとめた広報紙を作成し、大雨のわずか2日後となる15日の朝一番で全戸投函しました。お盆休み中にもかかわらず、発災からわずか2日後というスピードで正確な情報を届けられたことが最大の鍵でした。通常、こうした災害があると管理事務所には「自分の車は大丈夫か」という不安の問い合わせが何百件と殺到しパンクしてしまいます。しかし、この速攻広報で「下段駐車場は安全であること」を真っ先に可視化して伝えたおかげで問い合わせはほぼゼロ。管理員さんからも「本当に助かった」と非常に喜ばれました。水災対応における防災広報の本質は、住民の不安を即座に取り除き、現場の混乱を防ぐことだと実感しました。』
 
應田『まさに情報発信のスピードと正確さこそが、住民の安心を生み、最前線の管理現場を守る「最強の盾」になるのですね。それでは後編では、お借りしたもう一つのサンプル資料『規約改正案』にも触れながら、この迅速な意思決定を可能にした管理規約の「驚くべき免責規定」の具体的な仕組みや、毎年役員が実際に体を動かしてアップデートし続ける「超・実践型」の防災訓練の真髄について詳しく伺います。』
 
 
後編へつづく

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BORDER5 資料DLはこちらから

関連物件情報

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マンション名
ヴィルフォーレ稲毛
交通アクセス

JR総武本線「稲毛」駅 バス17分 徒歩1分
千葉都市モノレール2号線「スポーツセンター」駅 徒歩26分、「動物公園駅」徒歩27分

所在地

千葉県千葉市稲毛区長沼原町317-1

総戸数

660戸

竣工年月

1990年3月〜1992年2月

建物構造

SRC造地上14階建て

管理会社

伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社

分譲会社

三井不動産株式会社

施工会社

佐藤工業株式会社

修繕積立金

134円/m² (全体+棟別)

管理費

134円/m² (全体+棟別)